2023年05月23日
グラフィックデザイン
思わず来場者の足が止まる展示ブースのヒント
国内屈指のイベント会場「東京ビックサイト」がオリンピックにより貸出休止されていた期間は約3年に及びました。
例年ビッグサイトで開催される展示会で新製品やサービスを披露し、展示会によっては数万人の入場者を集めていた数多くの企業にとっては、受注獲得や異業種交流の機会が損失し、また展示会を支えてきた装飾業者やサプライヤーといった展示会関連業者にも甚大な影響が出たようです。しかし2019年から猛威をふるったコロナ禍も、ここにきて少し落ち着きを見せ、展示会再開の動きも一段と進んできています。
展示ブースに人が立ち止まらない理由を考える
展示会をお手伝いしている私たちがよく耳にするお悩みとして、「たくさん人は通っているのに、うちのブースに人が止まってくれない」という悩みを耳にすることがあります。
- 何を展示しているのか一目ではわからない
- 引き込み要員(コンパニオン)に笑顔がなくウエルカムな雰囲気がない
- 左右のブースと比べ違いやインパクトを感じない
- そもそもの展示会自体の導線が悪い
来場者が集まるブースを考える場合、大切なことは「来場者の心理を理解すること」来場者は広い会場の中で、できるだけたくさんのブースを回りたいと考えており、特定のブースにつかまりたくないと思っていることを前提に考えるのが必要です。
展示ブースに足を止めてもらうためのヒント
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ブースのテーマを定める
展示されている製品の情報が整理され、最適な場所に的確に展示されていれば、来場者が立ち寄りやすいブースになります。
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回遊しやすいブースの導線にする
お客様がブースに気づいてから商談に至る(ゴール)までのストーリーを仮設し、スムーズにお客様を引き込むブースの導線を考えます。
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ファーストビューを決める
ブースに何が展示されているのか通路を歩いていても見えやすくすることをファーストビューと呼びます。遠目でも興味を持たれるシンプルかつインパクトのあるファーストビューは効果的に集客をアップさせます。欲張りすぎて大量の情報を発信しすぎないのがポイントです。
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おもてなしのきもち
引き込み役のコンパニオン、説明役のスタッフともに緊張から笑顔がなくウエルカムな空気が感じられないブースには長居したくないですよね。
メンバーの一体感演出のため、ハッピやユニフォームを準備しておくのも効果的です。また名刺交換は今後顧客になり得る見込み顧客として展示会終了後すぐにフォローしましょう。ノベルティーや製品サンプルの配布をおこなえば、展示会後のフォローの際にも「あぁ〇〇をもらった企業ね」と覚えてくれる確率を高めます。
オンライン展示会の可能性
コロナを機にインターネットを利用したオンライン展示会の環境整備も急速に進み、リアルの展示会ではできなかったさまざまなメリットが新たに創出されています。
- 場所にとらわれず幅広い集客が期待できる
- 閲覧者のデータを収集できる
- 従来に比べ出店費用を抑えられる
一方では、実際の製品やサービスを「リアルに体験しにくい」あるいは「来場者へのプッシュ型の営業がしにくい」などこれからの課題も見えてきました。しかしVRなどを利用し360度製品を見せたり、Zoomなどを活用し直接説明をするなど新技術を活用しながらますます可能性が広がっていくことが予想されます。