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マーケティング
販売促進キャンペーンを実施するなら、「景品表示法(景表法)」を理解しよう

販売促進キャンペーンや広告のプランニングや実施において、景品表示法は知っておくべきこととなっています。キャンペーンの景品いくら迄イケたっけ?商品パッケージの表示ちょっと大げさに書きすぎかなぁ?知らないと損する景品表示法をわかりやすく解説します。

景品表示法(景表法)とは?

景品表示法(景表法)とは、消費者に対する「景品」と「表示」を規制する法律で、過大な景品や不当な表示に制限を設けることで消費者の利益を守っています。景品表示法(景表法)の違反が指摘された場合、①違反の事実の公表 ②改善策の実施 ③課徴金納付 などの対応が求められます。

過大な景品の提供禁止です

販売促進の手法として景品を提供するというのはよくとられる手法ですが、景品表示法(景表法)では景品の値段の上限が決まっています。おまけに惑わされて質の悪い商品を買ってしまうのを防ぐためです。

  • 一般懸賞(くじ・懸賞 クローズド懸賞の場合)

    ・商品が¥5,000未満の場合 1等上限取引価格の20倍、景品総額は売上予定総額の2%まで
    ・商品が¥5,000以上の場合 1等上限¥100,000、景品総額は売上予定総額の2%まで


商品・サービスの購入や来店を条件とした抽選などを企画する際にはこのラインを遵守しましょう。

  • 共同懸賞(商店街など連合で行うクローズド懸賞の場合)

    商品価格に関わらず1等上限¥300,000、景品総額は売上予定の3%までとなります。

  • ベタ付け景品(全員に提供)

    ・商品が¥1,000未満の場合 上限¥200
    ・商品が¥1,000以上の場合 商品価格の20%が上限

    なお商品の購入や来店など条件にせずWebやTVなどで広く告知し抽選を行うオープン懸賞は景品表示法(景表法)の対象外となります。

不当な広告表示の禁止

過大な景品の禁止に関するご説明をしてきましたが、むしろ多くの企業様などに影響の多いのが景表法の中でも「不当な広告表示の禁止」にまつわる内容です。なぜなら過去に景品表示法違反を理由に処分を受けているケースは、悪意があって虚偽の広告などをしているケースだけでなく、法律についての知識不足が原因で知らないうちに景品表示法(景表法)に違反してしまっているケースが多く見受けられるからです。

違反が認められた場合、措置命令と課徴金の納付が命じられますが、課徴金は当該商品の3年分の売り上げの3%相当といわれています。

景品表示法(景表法)では「不当な広告表示の禁止」をしていますが、言い換えると“消費者を誤認させるような広告表示をしてはいけません”という意味で具体的には(1)は「優良誤認表示の禁止」、(2)「有利誤認表示の禁止」、(3)「その他誤認させるおそれがある表示の禁止」とあります。具体例を挙げながらご説明していきます。

  1. 優良誤認表示の禁止

    優良誤認の表示とは、商品やサービスの品質等について、「実際よりも著しく優良であるかのような表示をするケース」や、「事実に反して競合他社の商品、サービスよりも著しく優良であるかのような表示をするケース」をいいます。

    • 有名薬品メーカーの事例

      「ウイルス・菌を99.9%除去」⇒科学的に99%除去できている客観証拠が認められなかった。

    • 大手進学塾の事例

      「講師は全員国立大学卒」⇒講師は日常的に入・退社があり常時全員が国立大学出身者であったわけではなかった。

    • 大手医薬品メーカーの事例

      「洗顔でシミしわが減り~」⇒科学的に“減った”と断定できるほどの効果が認められなかった。このメーカーの場合表示の後ろに「個人の感想です」と注釈を入れていたものの誤認を打ち消すほどのものではないと評価されなかった。

  2. 有利誤認表示の禁止

    有利誤認表示とは、実際よりも著しく有利であると一般消費者に誤認させたり、あるいは、他社と比較して著しく有利であると誤解させるような表示をいいます。

    • 大手ディスカウントショップの事例

      普段1000円で販売している実態がないのに「通常価格1000円のところ本日限り500円」。

    • 大手通販サイトの事例

      「参考価格¥900を10個で90%オフの¥900」⇒そもそも単価¥100の商品であった

    • 大手学習塾の事例

      「6/31までの入校に限り入学金¥10,000割引き」⇒6/31までとうたっているが、割引期限を変更しながら常時割引キャンペーンを実施しておりそもそも割引キャンペーンではないとの指摘。

  3. その他誤認させるおそれがある表示の禁止

    ほかにも誇大広告やおとり広告と認められる表示は禁止されています。

    • 大手飲料メーカーの事例

      無果汁の清涼飲料水のパッケージ⇒オレンジの写真の使用。無果汁である表記がないことが不当と評価。

    • 大手不動産会社の事例

      情報誌に「現在入居できない格安物件」を紹介⇒客寄せのためのおとりであると認定される。

景品表示法(景表法)まとめ

景品表示法に関しては多数の告示やその運用基準が消費者庁から出されていますので、これらを確認うえ実施すると安心です。